米ストロング遊戯博物館にて常設展示「日本のインディーゲーム」が2026年2月27日から公開開始。オープニングイベントでは『MotionRec』開発チーム参加の記念シンポジウム、除幕式も。

日本のインディーゲームの歴史

「日本のインディーゲームの歴史」の展示セクションでは、過去40年以上にわたる日本のインディペンデント系ゲームの歴史を下記の四つの時代に区分し、各時代の代表的なクリエイター・作品のパッケージやメディアミックス作品、関連グッズ等が二つのショーケースに収められています。

【時代区分と展示作家・作品】
自作ゲームの時代(1970~1980年代):中村光一 『ドアドア』
同人ゲームの時代(1990~2000年代):上海アリス幻樂団(ZUN)『東方紅魔郷』ほか
フリーゲームの時代(2000~2010年代):noprops『青鬼』ほか
インディーゲームの時代(2010年代~現在):KOTAKE CREATE『8番出口』ほか


これらの展示キュレーションは、かつてドワンゴが行ったゲームイベント「闘会議2015」で展示された自作ゲーム特集など日本国内での先行の取り組みを踏まえ、RCGSおよび評論家/編集者の中川大地氏らが監修しています。
また、関連展示「日本における先駆的な女性ゲームクリエイターたち」では、日本のゲーム産業の黎明期に活躍し、その後のビデオゲーム文化に大きな影響を与えた4名の女性ゲームクリエイターの功績が紹介されています。
ピックアップされたのは、光栄の共同創業者で『アンジェリーク』で「乙女ゲーム」ジャンルを創始した襟川恵子氏、リバーヒルソフトなどを創業し、『殺人倶楽部』『アナザーコード』など数多くのミステリーアドベンチャーゲームの企画・シナリオを手がけた鈴木理香氏、『ディグダグ』『ゼビウス』などのナムコ黄金期のサウンドの立役者である慶野由利子氏、そして初期『ファイナルファンタジー』シリーズなどのドラマチックなグラフィックアートを制作し、スクウェアのブランド確立に貢献した渋谷員子氏。展示ショーケースには、彼女らが手がけた代表的な作品群が収められています。

ars●bit セレクション2025:HANDSUM『MotionRec』

RCGS × ars●bit × ストロング遊戯博物館による「日本のインディーゲーム」展 記念シンポジウム

「日本のインディーゲーム」展が開始された2月27日には、ストロング遊戯博物館内のカンファレンスホールにて、オープニングイベントとなる記念シンポジウムも行われました。

15:00    開会挨拶:各関連団体の概要と本展の趣旨

イベントのオープニングでは、今回の展示を実現した三つの機関の代表者による挨拶が行われました。まずストロング遊戯博物館の副館長を務めるジョン・ポール・ダイソン氏が長年にわたる同博物館と立命館大学の協働についての祝辞を述べ、中村彰憲氏が日本のゲーム研究を牽引するRCGSの活動を紹介。そして村上雅彦氏がBitSummitを運営するなかで、日本のインディーゲームがどのように発展してきたか、そこから京都での現代アートとインディーゲームの企画展「art bit」展が始まったことや、クリエイター支援基金の採択を受けてars●bitプロジェクトが発足した経緯などが説明されました。

15:10   展示概要

中川大地(評論家 / 編集者、RCGS研究員、ars●bitディレクター)

続いて、本展の共同キュレーションを主導した中川氏が、本展の展示概要を解説。「日本のインディーゲームの歴史」における四つの時代区分とその特徴、関連展示「日本における先駆的な女性ゲームクリエイターたち」でピックアップした4名のパイオニアの来歴、および「ars●bit セレクション」の主旨と『MotionRec』の選考理由などが紹介されました。

15:35    パネルディスカッション:『MotionRec』の魅力と日本のインディーゲームの特徴

HANDSUM(shoma、m7kenji、Fujita)
木原共(アーティスト・ゲームクリエイター)
中村彰憲
中川大地
村上雅彦
リンジー・クラノ(ストロング遊戯博物館 キュレーター)

16:30    オープニングセレモニー(除幕式)

シンポジウム終了後には、関係者と聴衆が展示会場「High Score」に移動し、展示ケースの除幕セレモニーが行われました。この様子はロチェスターのテレビ局などの取材が入り、同日夜のニュースでも全米に報じられています(関連記事参照)。

開催概要

名称:日本のインディーゲーム(Japanese Indie Game)
会期:2026年2月27日〜終了未定
主催・会場:ストロング遊戯博物館(The Strong National Museum of Play)
      1 Manhattan Square, Rochester, New York 14607
協力:立命館大学ゲーム研究センター(RCGS)・ars●bit / 渋谷あそびば制作委員会
助成:クリエイター支援基金

ars●bitセレクション(ars●bit Selection)
2025年度選出作品:HANDSUM.inc『MotionRec』
選考委員:ars●bit(村上雅彦・中川大地・豊川泰行)・ストロング遊戯博物館